Story
晩餐館編
とあるビルの3階にある給仕のいない食卓
港町として栄えた神戸には多くのハイカラな文化が漂着し、
非日常も日常も異国情緒として包摂する寛容性が育まれました。
様々な文化を受け入れ、多様な価値観が交錯する繁華街では、
粋な薫りを包み込む懐の深い灯りがありました。
出会いがあり別れがあり、きらびやかで澱んでいて、
論理的で矛盾して、感情的で淡白で、
共鳴する箱からは独創的なひと時が溢れ出て、
時計の針が回る頃には壮大な交響曲を奏でています。
ひとつひとつの灯りを覗けば、無数の物語が繰り広げられています。
いつの時代も歴史は食卓で創られてきた
まちの中心に在りながら、
ビルの階段を上がれば、人々が行き交う喧騒からは
程よい緩衝があり誰もが誰もらしく、ありのままのライフスタイルを表現できる空間。
時間をデザインするのは食卓を囲むいつもの仲間たち。
誰もが主役である晩餐の舞台として、
お好きな時間に、思い思いの時を過ごしていただけることを願って、
給仕のいない三階の食卓は準備万端でございます。